このような悩みにお答えします。
最初にこの記事の内容と信頼感を紹介します。
☆この記事の内容
・村上春樹の本の面白さがいまひとつよく分からないという方におすすめの読み方をご紹介します。
・ちょっと面白くなってきたという方に、さらにおすすめの読み方もご紹介します。
☆この記事の信頼感
・この記事を書いている私は、小説を中心に読書が好き。2019年は250冊読了
・村上春樹の本は、長編・短編は全部読みました。今は村上さんが翻訳した作品を読み進めています。
この記事を読めば、村上春樹の本を読む楽しみ方を知ることができます。
村上春樹とは
まずは村上春樹とはどう人なのかご紹介します。
村上 春樹(むらかみ はるき、1949年1月12日 – )は、日本の小説家、文学翻訳家。京都府京都市伏見区に生まれ、兵庫県西宮市・芦屋市に育つ。
早稲田大学在学中に喫茶を開く。1979年、『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1987年発表の『ノルウェイの森』は2009年時点で上下巻1000万部を売るベストセラーとなり、これをきっかけに村上春樹ブームが起きる。その他の主な作品に『羊をめぐる冒険』、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、『ねじまき鳥クロニクル』、『海辺のカフカ』、『1Q84』などがある。
日本国外でも人気が高く、柴田元幸は村上を現代アメリカでも大きな影響力をもつ作家の一人と評している。2006年、フランツ・カフカ賞をアジア圏で初めて受賞し、以後日本の作家の中でノーベル文学賞の最有力候補と見なされている。
精力的に、フィッツジェラルドやチャンドラー作品などを翻訳。また、随筆・紀行文・ノンフィクション等も多く出版している。後述するが、ビートルズやウィルコといった音楽を愛聴し自身の作品にモチーフとして取り入れるなどしている。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
最近の話題は、やっぱり毎年ノーベル文学賞の最有力候補にあがることです。ノーベル文学賞が発表になる10月は「村上春樹」がネット検索数も高くなる傾向があります。
村上春樹の本のおすすめの読み方は3つです
村上春樹の本のおすすめの読み方を3つご紹介します。
☆村上春樹の本のおすすめの読み方3つのポイント
その①:長編を出版年月日の順番に読む
その②:『ノルウェイの森』か『国境の南、太陽の西』を読む
その③:短篇・翻訳作品を読む(面白くなってきた方向け)
その①:長編を出版年月日の順番に読む
長編を出版年月日の順番に読むと「登場人物の理解」や「作品の変化」をスムーズに感じることができます。
長編の出版年月日は以下のリンクを参考にして下さい。
デビュー作は『風の歌を聴け」です。
『風の歌を聴け」から始まり、『1973年のピンボール』「羊をめぐる冒険』は『鼠三部作』と言われていて登場人物が関連して登場して来るので、この順番で読むことをおすすめします。
さらに、特に関係のない2つの長編が出た後の『ダンス・ダンス・ダンス』も繋がりがある話ですので、『鼠三部作』の後に読むことをオススメします。
とここまで書いてきたのですが、この辺りの作品を読んでいる時、正直なところ私は全く村上作品の面白さが分からなかったです。
もしかしたらこのブログを読んでくれているあなたと同じ気持だったかもしれません。
むしろイライラしながら読んでいたかもしれません。それは『スプートニクの恋人』まで続きました。
なぜ、イライラして読んでいたのか?
村上作品は、こちらの世界(現実世界)とあちらの世界(死の世界)をとにかく行ったり来たりします。
これが私はどうにも馴染めなくて、「全然意味が分からない」「何が面白いんだろう」とずっと悩んでいました。何故かそれでも読み続けたのですが・・・。
変わったのは次の文章と作品に出会ってからです。
『ノルウェイの森』の文章と『海辺のカフカ 』
ある日、たまたまネットを見ている時に『ノルウェーの森』の以下の文章を見つけました。
「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるだ」
『ノルウェイの森』より
この文章を見た時に、何かがストーンと心の中に落ちたように感じました。
もしかして、こちらの世界(現実世界)とあちらの世界(死の世界)をとにかく行ったり来たりするのは、この文章の意味を村上さんが表現したかったのではないのかなと考えました。
そして、その後に読んだ『海辺のカフカ 』
『海辺のカフカ 』もこちらの世界(現実世界)とあちらの世界(死の世界)を行ったり来たりする作品ですが、初めてそのことが全然気にならずにイライラしないで読むことができたのです。
今までは、こちらの世界(現実世界)を読んでいる時の頭と、あちらの世界(死の世界)を読んでいる時の頭を二つに分けて別々に読んでいました。
ところが、『ノルウェイの森』の文章に出会ってからは、二つに分けて別々に読むのではなくて、「ゴチャ混ぜに読めばいいんだ」と思って、開き直って読むことができるようになりました。
もし、今こちらの世界(現実世界)とあちらの世界(死の世界)がよく分からないとイライラしている方がいたら「ゴチャ混ぜに」して読むことをおすすめします。
ここまで読んでいただいて、もし長編を出版年月日の順番に読もうと思っていただけたら。
上で書いた『ノルウェイの森』の文章と「ゴチャ混ぜに」して読むことをヒントにしていただけると、村上作品の面白さが早くわかるかもしれません。
その②:『ノルウェイの森』か『国境の南、太陽の西』を読む
村上作品を全部読むつもりはまだないけど、とりあえずどれか1冊でも面白く読みたい方には『ノルウェイの森』か『国境の南、太陽の西』を読むことをおすすめします。
理由は、その①でご紹介したようなこちらの世界(現実世界)とあちらの世界(死の世界)を行ったり来たりするのが他作品に比べて少ないので、読みやすいからです。
村上作品の短篇から読み始める
村上作品の短篇は、『ノルウェイの森』や『国境の南、太陽の西』に近い作品が多いので、短篇から読むのもおすすめです。
特におすすめは『中国行きのスロウ・ボート』と『レキシントンの幽霊』の2つの短篇集です。
この短編集の中の「午後の最後の芝生」は村上作品のファンの間でも人気の高い短篇でおすすめです。
この短篇集の中の「沈黙」は無駄な文章がどこにも見当たらない、引き締まった短篇です。
その③:短篇・翻訳作品を読む(面白くなってきた方向け)
その①で長編を全部読んで村上作品を読むのがちょっと面白くなってきた方は、短篇と翻訳作品を読むのがおすすめです。
短篇は短い文章の中にストーリと余韻を楽しめる秀作が揃っています。
翻訳作品は、村上さん自身が本当に好きで訳したい作品だけを翻訳しているので、良作が揃っています。
読者の中には、村上さんが書いた小説は合わないけど、村上さんが訳した翻訳作品は好きだという方もいます。
長編を全部読んだ人の密かな楽しみとしては、短篇や翻訳作品が「もしかしたら、あの長編につながっているのでは?」と想像を膨らませることができることです。
翻訳作品のおすすめ3つ
翻訳作品にも素晴らしい作品がたくさんあるのですが、ここではあえて3作品のみご紹介します。
①『グレート・ギャツビー』
スコット・フィッツジェラルドの代表作品です。まずこの作品を読んで『夜はやさし』や短篇を読んでいくのがおすすめです。
『グレート・ギャツビー』は村上さんの長編『騎士団長殺し』にもつながりがあります。
②『大聖堂』
短篇の名手と言われているレイモンド・カーヴァーの短篇集です。
表題作に加え、「ぼくが電話をかけている場所」「ささやかだけれど、役にたつこと」がおすすめです。特に「ささやかだけれど、役にたつこと」は多くの方に読んでほしい作品です。
③『巨大なラジオ / 泳ぐ人』
カーヴァーと同様に短篇の名手と言われたチーヴァーの短篇集です。
表題作の「泳ぐ人」は、村上作品のこちらの世界(現実世界)とあちらの世界(死の世界)を行ったり来たりするのを理解するためのヒントになるような作品です。
まとめ
今回は、村上春樹の本のおすすめの読み方を3つご紹介しました。
内容をまとめるとこのようになっています。
☆村上春樹の本のおすすめの読み方3つのポイント
その①:長編を出版年月日の順番に読む
その②:『ノルウェイの森』か『国境の南、太陽の西』を読む
その③:短篇・翻訳作品を読む(面白くなってきた方向け)
今回おすすめした読み方を参考にして、読んでみて下さい。
今回は以上になります。